ウルトラカンジ

生後 7 ヶ月で GLUT1 欠損症と診断された男の子の成長日記、と GLUT1 やケトン食について

2020年度 glut1 異常症患者会オンライン勉強会・交流会

もともと今回の勉強会・交流会は鹿児島での開催を予定されていたそうですが、コロナ禍の中、やむなくオンラインでの開催となりました。 2020年度 GLUT1 欠損症の勉強会・交流会についてまとめてみます。

  • 日付:2021 年 1 月 31 日(土)
  • 場所:オンライン(Zoom)

講演「GLUT1欠損症について​・COVID-19とGLUT1欠損症」

大阪大学大学院医学系研究科小児科学
glut1 異常症患者会顧問 青天目 信 先生

​(注)青天目先生の許可を得て、発表資料を掲載させていただいています。当日参加できなかった方の参考になれば幸いです。なお、この資料の無断転載はご遠慮ください。

今回はコロナ禍の中での開催だったこともあり、これまでの GLUT1 欠損症についての解説に加えて、新型コロナウィルス感染症(以下 COVID-19 と表記)との関係についてもお話をいただきました。 発表内容は資料を参照ください。

GLUT1 欠損症の患者さんにカフェインはあまりよくないという情報は以前から聞いていましたが、ケトン体を作ることや消費することなどへの影響ではなく、GLUT1 のはたらきを落とす影響というのは意外でした。GLUT1 はもともと健常者より稼働率が低くなっているものの、それでもやはり重要なはたらきをしているんだなと思いました。

完全に余談ですが、ケトン体を脳内に取り込むものが 「MCT1」 というのは知らなかったです(資料 p.10)。ググってみたら、モノカルボン酸トランスポーターというもののようです( Monocarboxylate transporter 1 - Wikipedia)。ちなみに MCT オイルの MCT は中鎖脂肪酸油(Medium Chain Triglyceride)なので全然別物でした(MCTサロン - そもそも「MCT」ってなに?

GLUT1 欠損症の患者さんで COVID-19 になった情報はなし、とのことでした。 てんかんがあるからと言って、COVID-19 が重症化しやすいというわけではなさそうということでした。

もし親が感染してケトン食を作れなくなった場合は、病院に対応できるかを聞いておく、または一時的に普通食で耐えることも現実的な選択肢ではないか、とのことでした。

交流会

続いて交流会。

COVID-19 の話から、GLUT1 の患者だけでなく障がいをもつ人が感染したときの各自治体の情報が寄せられました。

奈良県は事前に準備シートに記入して渡しておくことで、同居家族ともにすぐに診察してくれるようです。これかな?

事前準備シートについて/奈良県公式ホームページ

滋賀県も相談窓口があるとのことでした。ご詳細されていたのとは別かもわかりませんが以下の情報がありました。

新型コロナウイルスについて障害のある方のための情報|滋賀県ホームページ

それから、患者さんの学校生活や進学準備についても情報交換がありました。 GLUT1 の患者さんは症状の程度が人によってまちまちなこともあって、学校生活でも悩みが絶えません。 給食の問題はもとより、学校側の受け入れ体制などでも様々な問題があるようでした。

また、親がケトン食を作れなくなったときの問題も徐々に現実味を帯びてきました。確かに親だけが頼りというのは、支えが一点ということで、心もとないです。低糖質の食品や商品が増えたことは喜ばしいことですが、調理する人が必要です。ケトン食の弁当がもう少し広まるといいですね。

強引な結論というわけではないですが、ここに書けない具体的なお話を聞くと、コロナ禍によって社会福祉的な課題がより一層表面化しているような印象も受けました。

さいごに

オンラインとなりましたが、患者会の勉強会・交流会を無事に開催できてよかったです。

またオフラインでお会いできる日を待ちましょう。 役員のみなさま、参加された先生方、ありがとうございました。

うちのカンジは小学校 6 年生になりました。今も元気に過ごしています。 とてもお世話になった小学校での生活も残りわずかです。