ウルトラカンジ

生後 7 ヶ月で GLUT1 欠損症と診断された男の子の成長日記、と GLUT1 やケトン食について

仁徳天皇陵に行ってきた

休日の短い今年の正月はそれほど遠出も望めず、近場で行ったことがないところに行ってみようと、堺の仁徳天皇陵に行ってきました。自宅からは車で約 30分くらいの距離なのですが、ローカルすぎて行ったことがありませんでした。

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実際に行ってみて、今まで行かなかった間接的な理由がわかった気がしました。

なにもない!

古墳があまりにも大きすぎて、見たところただの山。前が四角で後ろが円形だなんて、全然わかりません。周囲を少し回っても、濠が 2 重になっているので中の様子はさっぱりわかりません。上の写真が古墳に一番近いところで、宮内庁管轄のため立ち入り禁止(ヤッピーと本文は関係がありません)。
それでもさすがに巨大な古墳の圧倒的な大きさと静けさに、小さな声で「お~」とため息が出ます。しかし、次の瞬間、周囲のあまりの無愛想ぶりに残念なため息も出ます。

Dscf0997_7 向かいには大仙公園という大きな公園があって、そこに堺市博物館があるんだけれど、 それを除けば、特に「前方後円墳まんじゅう」なるものが売っているわけでもなく(もちろんそんなものは存在しません)、この世界最大の陵墓の周囲は、まったくもって盛り上がっていません。

そうです。この仁徳天皇陵は、エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵を凌ぐ、世界最大のお墓なのでした。

そもそも仁徳天皇とは、初代神武天皇から数えて 16代目で 4世紀の天皇です。 卑弥呼が中国の歴史書(魏志倭人伝)に現れた 100年あとの、半分神話の世界です。記紀の世界です。

ところが、あまりに古くて資料が乏しいため、実は仁徳天皇のお墓ではないという説もあるそうです。最近の教科書には「仁徳天皇陵」ではなく、「大仙古墳」と記述されているということも聞いたことがあります。

なぜそのような混乱が生じているかと言えば、宮内庁が調査をさせないからで、この仁徳天皇陵(もう便宜上こう呼ぶしかない)も、江戸時代と明治時代に調査されたきりです。では、なぜ調査をさせないかと言えば、多分、都合が悪いからじゃないかと思います。きっと、国民全員、古代史を勉強しなおさないといけないくらいに…。

堺市では、この仁徳天皇陵を中心とした「百舌鳥(もず)古墳群」を、ユネスコ世界遺産に登録する計画があるそうですが、だれのお墓とも論争が決着しない状態で、果たして世界遺産に認定されるんでしょうか。

5世紀の古墳が、ほぼそっくりそのまま今の時代に残っていることは、すばらしいことだし、世界遺産に値することだとは思います。ただ、文化遺産として共有する前に、まず事実を共有することが必要なんじゃないかと思います。

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最初に「盛り上がりに欠ける」と書きましたが、ここは人が参詣する神社ではなくお墓なので、やっぱり世界遺産に登録もされずに、ひっそりしている方がお似合いかも知れません。

前方後円墳まんじゅう」を売る人が出てくれば、そのときはリポートしますが。