第 6 回 glut1 異常症患者会 総会・勉強会・交流会
かなり熟成させてしまいましたが…、1 年半前の患者会総会について…、書きます。
- 日付:2019 年 8 月 31 日(土)
- 場所:あいち健康の森(名古屋)
目次:
はじめに
この総会は、公益財団法人キリン福祉財団から支援を受け、複数の食品メーカーからの協賛品もいただいての開催となりました。
総会部分は活動報告等なので割愛して勉強会の内容から。
勉強会
講演「GLUT1欠損症の最近の話題」
大阪大学大学院医学系研究科小児科学
glut1 異常症患者会顧問 青天目 信 先生
(注)青天目先生の許可を得て、発表資料を掲載させていただいています。この資料の無断転載はご遠慮ください。
講演「GLUT1欠損症の遺伝子治療について」
自治医科大学病院小児科
中村幸恵 先生、小坂仁 先生
以前もお話いただいた遺伝子治療研究のお話。 遺伝子治療のお話なので普通の患者にすぐに適用できるようなものではありませんが、期待はしたいです。でも日本の医療業界は予算も厳しいというお話もありましたね…。
交流会・ナラティブ〜自分たちを語ろう〜
交流会では患者や患者家族による発表が行われました。ここでは発表されたテーマと簡単な内容をご紹介します。
自治体の食事療養費助成について
- 香川県のある市に助成を働きかけられたお話
- 他の病気との整合性の問題で一度は却下されたが、食事療法にかかる費用や資料を提出し、最終的に年間 24 万円まで助成されることになった
- 愛知県豊川市、大府市ではすでに実施されている
- この制度がほかでも自治体でも広がれば
ちなみに、このお話を聞いて、うちでも地元の自治体に働きかけにいきましたが、うまくいきませんでした。粘り強い交渉が必要なようです。
おかげさまで地元の自治体でも申請が通り、年間 12 万円まで助成されるようになりました。先達のみなさまと助成に取り組んでくれた自治体の方々に感謝です。
障害の受容について
患者さん自身の発表です。 障害の受容ということについて当事者しか語れない、親の気持ちにも思いを寄せた、とてもすばらしい内容の発表でした。
保育園からのケトン食提供について
- 病気について理解のある保育園を探し、障がい児の受け入れ実績もある園にした
- 管理栄養士が給食の献立を組み立てられていた
- 園長や管理栄養士に対してケトン食についてのプレゼンをし、食事療法を含め様々なケアをしてもらうことになった
- 園におけるトラブル対応など
- 実現に向けたアドバイスなど
ケトン食を知らなかったであろう保育園に対して、食事療法から日々の生活のケアまで綿密にやりとりをされた貴重な体験談でした。今後の幼少の患者さんだけでなく、新しい環境に進学するようなときでもとても参考になる内容でした。
修正アトキンズ食療法を始めてみて
- 病院から出された指示は糖質制限とカロリー制限があった
- 最初は不安しかなかった
- 糖質にだけ気を取られすぎてしまい、脂質を上げることを忘れてケトンが出ないことがあった(笑)
- 糖質も脂質もバッチリなのにケトンがでなくて、よくよく考えると検査紙が湿気ていた(笑)
軽やかに失敗談の体でお話されていましたが、その裏には、それはそれは大変なご苦労があったことは想像に難くありません(泣)。
乳児期での診断から今までの経験
うちからの発表です。原稿も残っているので後日別の記事にしようと思います。
質疑応答
個人差や年齢差もあり、簡単に結論が出ない問題も多いです。当日の質疑メモをそのまま残しておきます。 青天目先生のスライドの後半にも相談と回答があるのでぜひそちらも参照ください。
- 運動をした方がいいのかどうか?
- 食事療法は厳しく計測した方がいいか、ゆるくやっていいか? → 成長過程のときはがんばった方がいい
- みかんの糖質は GI 値が低いので血糖値が上がりにくい (よく覚えていないがメモが残っていた)
- ゼロカロリー表記について
- 100ml(g) あたりのエネルギーが 5Kcal 未満なので完全にゼロではない
- 外食や旅行について
- 朝食が食べられないときある?
- 中性脂肪の正常値をキープするには?
おわりに
ほんとに遅くなってすみません。ただそれだけです。
あと、1 年半も前のことなのでちょっと懐かしいです。