ウルトラカンジ

生後 7 ヶ月で GLUT1 欠損症と診断された男の子の成長日記、と GLUT1 やケトン食について

カンジの入院生活 2017

はてなブログへ引っ越し後、初めてのまともな記事です。

書くべきことは少々溜まっていますが、まずはカンジの入院のことから始めましょう。

近況

カンジはいま小学校 3 年生です。学校でも家庭でも特に何の問題もない生活を送っていました。和太鼓も習っていて、週 2 回ハードな練習になんとかついていっている状態でした。

ただ、主治医の定期的な診察では、この半年ほど血中ケトンと尿中ケトンの値が期待しているほど上がらないので(*1)、食事のケトン比を上げる必要があるとか、これ以上数値が悪くなったら入院して食事療法を強化する必要があるかも知れないというような話をしていました。

緊急入院

8月の最終週に脳波、MRI、重心動揺計の検査をしました。血液検査は 3 ヶ月に一回ほど実施しますが、脳波や MRI の検査はおよそ 1 年に 1回くらいしか実施しません。今回、少し間が空いて約 1 年半ぶりくらいにした実施した検査で、脳波に発作の波が出ていたことで緊急入院することになりました。治療を初めてからずっと穏やかだった波形にほぼ初めて発作らしい波形が出たそうで、主治医はひっくり返るくらい驚かれたそうです。その他では、重心動揺計は素人目には全然わからないが先生の目からみると、少し揺れてるかなーという程度、MRI は異常なし、という結果でした。

非定型欠神発作の脳波

主治医を驚かせた脳波というのは、非定型欠神発作に見られる波形だそうです。その波が数分に 1 度の頻度で出ていました。ただ、非定型欠神発作の波は出ているものの、目に見える発作は出ておらず、呼びかけにも普通に反応するので、波形だけで発作とは断定できないとのことでした。

欠神発作というのは、食事をしていたり、絵を書いてるときに発症すると、一瞬だけ止まって、また何ごともなかったように前の動作を続けるようなものらしいです。その止まった一瞬は意識がないので記憶もないそうです。

主治医いわく、この年頃(10歳前後?)のグルットの患者にはよく見られる波形だそうで、医師の中でもそれが本当の発作の波形なのか、問題のない波形なのかはまだ意見が分かれるようです。

ただ、ここのところの血中ケトンが上がらないこともあるし、波形から脳がエネルギー不足を訴えているのは間違いないので、大事を取り今のうちに食事療法を強化しようということで入院することになりました。

なので、脳波の乱れがあって入院とは言っても、カンジ本人は変わらず元気です。もしかすると目に見えないような、本人の自覚症状もないようなごくごく小さな脳のエネルギー不足はあるのかもわかりませんが。

小学校

極力普段の生活を送り、その上で血中ケトンの数値を上げたい、という主治医の方針のもと、小学校にも病院から少し遅れて登校しています。食事療法強化のための入院なので、午前中の授業を受けて下校し、昼食は病院に帰ってきてからケトン食を食べるという生活を送っています。

ケトン食

食事療法の強化というと、極度に高いケトン比の食事をがんばっていると思われるかもわかりませんが、退院後も家で無理なく続けられるようにと、ケトン指数は 2.5 の食事を出していただいています。それがまた味付けもしっかりされていて、どれもおいしいです。3食のケトン食におやつを食べ、ケトンフォーミュラのミルクは 100cc (14%) を 1 日 4~5 回(朝、補食、昼、おやつ、寝る前)飲んでいます。

母子センターの栄養士さんたちが作ってくれるケトン食はどれもおいしく、メニューもとても参考になるので、また別の記事で書きたいと思います。

おわりに

結果的に入院が 2 学期の開始と重なり、先生は「夏休み早々の早い時期に検査するべきやった、ごめんね~」としきりに謝られていましたが、早く脳波の異常を見つけてもらったので夫婦ともども感謝の気持ちしかありません。これが発作が起きてからの入院となるともう少し慌ただしい気持ちになっただろうし、なによりカンジ本人も辛いことが起きたでしょうから。

入院中のおやつで一番のお気に入りはこのキャラメルムース

アリゾナステーキ、ケトンパン、ブロッコリーサラダ

*1:血中ケトンは 3-ヒドロキシ酪酸 (3-OHB) が 2,000μM/L に届かない程度。