人生は要約できない
最近読んだ伊坂幸太郎の「モダンタイムス」という小説の、あるフレーズが気に入りました。
ちょっと長いですが引用します。
「人生ってのは要約できねえんだよ。(略)人ってのは毎日毎日、必死に生きているわけだ。つまらない仕事をしたり、誰かと言い合いしたり。そういう取るに足らない出来事の積み重ねで、生活が、人生が出来上がってる。だろ。ただな、もしそいつの一生を要約するとしたら、そいういった日々の変わらない日常は省かれる。結婚だとか離婚だとか、出産だとか転職だとか、そういったトピックは残るにしても、日々の生活は削られる。地味で、くだらないからだ。(略)でもな、本当にそいつにとって大事なのは、要約して消えた日々の出来事だよ。それこそが人生ってわけだ」大きなイベントも大事だけれど、日常生活も大事だなって思いました。
もう 4月ですから進学なり、進級なり人生における大きなイベントがあると思います。
うちの次男のミッチーは入園します。長男のヤッピーは幼稚園の年長になります。
それはそれで重要なイベントには間違いありませんが、それで何かがパチンっと変わるわけでありません。
そんなイベントではなく、ミッチーの場合で言うと、トイレトレーニングに励みながら、徐々におむつが取れていく、そういう日常も大事ですよね。
「人生が大きく変わらなくても、小さな行動や会話の一つ一つが、人生の大事な部分です」小説中の「せいぜい自分のできる範囲で」目の前のものからこなしていけばいい。そんなフレーズもとても印象的でした。
これって、以前ミカリンさんが引用されていた山元加津子さんの本にでてくる詩と似てるように感じました。
こんなにたくさんの仕事は絶対にできないと思うから
今してることだけ 終わらすんや
次してることも 終わって
そうして そうして くらしていると
大きな仕事も 終わっているんや
(GLUT1 欠損症 ゆ~きやかんかん)
http://plaza.rakuten.co.jp/yukiyukikankan/diary/200902030000/
ちょっと強引かもわかりませんが、ふと頭の中でつながってしまったので。
健常者もそうじゃない人も、大人も子どもも、みんな、一緒ですね。
目の前のできることから行動していくと、大きな仕事もなんとかなるかも知れません。
「それこそが人生ってわけだ」
日常生活を大切に。