すやすやスポット

人はみんな、それぞれのすやすやスポットを持っています。

すやすやスポットとは、心地よく眠りに落ちるために自分が知らずしらずに触れる、自分の体の部位のことを言います。と言っても、僕が勝手に名付けましたが。

たとえばまずは僕から。

眠りに落ちるか落ちないか、そのとき僕は片方の指先で、天井に向けて突きだしたもう一方の腕の内側を、すうっとうっすらなぞります。何度も。もちろん、毎日そんな気持ち悪いことをしているわけではなく、ときどきそんな行動をしていて、自分ではっと気がつくときもあれば、カンジママに気持ち悪いと指摘されるときもあります。でも、肘から先の腕の内側は、うぶ毛もなくて気持ちよいのです。

そのカンジママのすやすやスポットは、髪の毛。仰向けになり、着実に眠りに入りながら無意識に、前髪のひと束を両手で交互に上へ上へとなぞります。人のことを言えたものではありません。はたから見ると十分に気持ち悪いです。それに、その何が気持ちいいのか僕にはさっぱり理解できません。まあ、すやすやスポットは人それぞれということです。

ヤッピーとミッチーは驚くべきことに、以前までは僕と同じすやすやスポットを持っていました。つまり、肘から先の腕の内側です。ここは、スポットとしては人気がある部位なんでしょう、きっと。

ですが、最近のミッチーはどこに触れることもなくなりました。すやすやスポットに変化がおきているのかも知れません。変化が完了したのはヤッピーの方で、こちらは、腕からへそに行ったので始末が悪いです。しかもスポットの中毒性が強く、ほぼ毎日のように触ります。半ば無意識なので、注意して聞くわけでもなく、やめさせる有効な手だてがなかなか見つかりません。なるべくへそを触らせないためには、できるだけ速攻で深い眠りに落ちてもらうしかありません。それにしてもかなり気持ちいいのでしょう。

最後に、かんちゃんのすやすやスポットは、上唇の先端。かんちゃんの場合は、眠るより前に、眠くなってきたらそのスポットをぷにぷに押したり、さわさわと触ったり。もう一方の手は、口の中でおしゃぶりなので、眠る前は両手が口元に揃います。
なるほど、これはこれで猫の肉球のように弾力があって気持ちよさそうです。

さて、みなさんのすやすやスポットはどこですか？