ウルトラカンジ

生後 7 ヶ月で GLUT1 欠損症と診断された男の子の成長日記、と GLUT1 やケトン食について

ケトン比の計算

先月の「新生活ゼロシリーズ」の記事で、「ケトン比の計算は次回にご紹介を」と書いたきり、ほったらかしていました。

今日はそのケトン指数(ケトン比)の計算について。

<おさらい>
かんちゃんたち Glut1 異常症の患者は、糖分を脳に送ることができません。糖分をおくる働きをする Glut1(グルコーストランスポーター1) という酵素が先天的に十分に機能しないためです。ただし、脳のエネルギー源は糖分だけではなく、脂質もエネルギーとして使うことができます。その脂質を消費した際に発生する物質がケトン体です。ケトン体を発生させることを主な目的とした食事療法がケトン食療法で(ケトン体が発作を抑制するなど様々な効果がある)、そのケトン食療法の程度をケトン指数として表すことができます。

おさらい終わり。で、早速ですがこれが計算式です。

<計算式>
たんぱく質・・・ P、炭水化物・・・ C、脂肪・・・ F とすると、

                        0.9F + 0.46P
ケトン指数 =  —————
                      C + 0.1F + 0.58P


という式で求めることができます。

先日の、新生活 ZERO シリーズあらびきウィンナーを例に取ると、商品のホームページから、もしくはパッケージから以下のことがわかります(1 パック 90g あたり)。

たんぱく質 ・・・13.0g
炭水化物(糖質 + 食物繊維) ・・・0g
脂肪  ・・・ 25.7g

これを式にあてはめて計算すると、約 2.9 というケトン指数が出ます。
こうして、ケトン指数 2.9 とか、(仮に切り上げて)3 : 1 のケトン比と言ったりします。
僕の知る限りでは、3 : 1 でもわりとケトン比が強い方だと聞いていますが、患者の個人差や治療方針もあるので、一概にどうあるべきと言うことはできません。何しろ食事療法ですから食べないことには始まりません。毎日食べられて治療につながることが重要です。

話を戻しますと、実際の食事では、いかに最近のかんちゃんが親父キャラになってきたからと言って、あらびきウィンナーだけを食べるわけにはいきません。他の料理と合算した数値が目安になることは言うまでもなく、さらにカロリーも考慮しないといけないでしょうから、食事療法をされている方々の努力というのは並大抵のものではないなと、これを書きながら改めて思いました。かんちゃんはまだ昼・夜 2食とケトンフォーミュラです。

もうひとつ思ったのは、この計算を手軽にできないか?ということです。

こういう計算は Excel に式を入力すれば簡単にできますが、スーパーなんかで「新低糖商品」とでくわしたとき、ケトン指数を暗算できる人はそうはいないですよね。
そこで、携帯のケトン指数計算アプリなんてあったらなぁ、なんて思ったのですが、どうなんでしょう?がんばって作れないものでもないんじゃないかな・・・?と。
まぁ、「新低糖商品」なんてものにでくわす機会もそれほど頻繁にあるわけでもないし、あっても即買いしなくてもいいわけだし。
でも、そんなアプリがあってもいいんじゃないか?と思ってみたり・・・。スーパーでなくても試しに計算したいときもあるかもわからないし。

どうでしょう?あったら使われますか?もしよかったらご意見ください。

<参考 URL>
「きよくん基金を募る会」の「ケトン食療法について」
http://www.jttk.zaq.ne.jp/kiyokun/keton1.htm

「アイカルディ症候群 kanakana-puu」の「ちょっとお勉強」
http://www.kanakanapuu.com/