ウルトラカンジ

生後 7 ヶ月で GLUT1 欠損症と診断された男の子の成長日記、と GLUT1 やケトン食について

glut1 異常症患者会について

今日は glut1 異常症患者会についてです。

glut1 異常症 おさらい

まず、カンジの病気の glut1 異常症について改めて書きます。


glut1(グルットワン)異常症とは、正確にはグルコーストランスポーター1異常症と言います。赤血球や髄液中にあるグルコーストランスポーター1という酵素の働きが弱いため、脳に十分なブドウ糖を送ることができずに、てんかん発作や発達障害などさまざまな神経症状が出る病気です。

三大栄養素すべてをエネルギー源にできる身体とは違って、脳の主要なエネルギー源はブドウ糖と言われています。そのブドウ糖を十分に脳に送れない glut1 患者はケトン食療法をすることでケトン体をエネルギー源として脳に供給しています。

ケトン食療法とは、炭水化物(=糖分)を減らして脂肪分を多くとる食事療法です。それにより体内の糖分を不足させ、脂肪を元にケトン体を作ります。糖分が十分にあると、このケトン体は発生しないので、糖分を極力とらないことが必要になります。

そういうわけで、カンジは糖尿病患者もびっくりの低糖質の食事を続けているのです。

glut1 異常症患者会

そうした glut1 患者が、日本には数十人います。2008年12月のエントリーで20数例と(自分で)書いているので、今はもう少し増えていると思われますが、正確な患者数はよくわかりません。Facebook 経由で知ったアメリカの glut1 患者会こちら)のビデオでは世界で約 300 ケースと書かれていました(ビデオは YouTubeこちら)。

それほど症例の少ない病気なので、我が家では交流や情報交換をができる glut1 異常症患者会に参加しています。患者会とは言っても運営されている方々は、みなさん患者の親御さんですから、日々の仕事や忙しい食事の準備の合間をぬって患者会の活動をやられているわけです。特に食事は通常の食事とケトン食用の食事を準備することになるので並大抵のことではありません。いつも頭が下がる思いです。患者会のサイトはこちらです(このブログのサイドバーのリンクと同じ)。

http://blogs.yahoo.co.jp/glut1glut

その患者会では、2年に1度のペースで総会を実施しています。総会の翌年は少し規模の小さい交流会を実施しています。今年は総会の年になりますが、全国から一箇所に集まると言っても大変なので、今年は地域別交流会になりそうです。地域ごとの交流会でも、これまで全国の総会は遠くて行けなかった方も各地で集まれるといいですね。

リーフレット

昨年の交流会でいただいたのですが、患者会ではとてもわかりやすい、リーフレットを作成されています。こんなことを勝手に書いていいのかどうかわかりませんが、お近くの学校や幼稚園、人が集まる職場(やはり病院がベストでしょうか)に置いていただける方は、患者会に問い合わせますので、コメント欄でもメール(プロフィールページにあります)でもご連絡ください。


原因がわからない発作や症状がある方の中には、きっと多くの潜在的な glut1 患者がおられるのではないかと思います。glut1 異常症かも知れない方も、今お子さんが何の病気とも確定されずに悩まれている方も、結果的に glut1 異常症でなくてもいいので、多くの方に見てもらいたいなと思うリーフレットになっています。

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